高次脳機能障害は、器質性精神障害とも呼ばれ、障害年金では「精神の障害」として扱われています。
症状は人によって異なりますが、おもに注意力が保てない、記憶を脳にとどめておけない、感情をコントロールできない…といったものがあります。
重症化すると日常生活に手助けが必要になったり、労務に就けず収入が得られなかったりしますので、障害年金の申請を検討してみてはどうでしょうか。 まずは高次脳機能障害で、2級に認定された方の症状を例示します。
・財布をどこに置いたかを忘れ、家族が隠したという。
・薬は用意してあげないと飲み忘れてしまう。
・病院までの道順を忘れてしまう。
・慣れた場所へも行けないことがある。
・同じことを何度も聞き返す。
・友人や知人の顔や名前が覚えられない。
・ちょっとしたことでイライラし激しく怒る。
・物事に無関心で新しいことに興味を示さない。
・仕事でミスを繰り返し退職となった。 |
以上からわかることは、「記憶力の低下」が一つの評価のポイントとなっているということです。脳の損傷した場所によって症状は変わってきますので、記憶力の低下が評価のすべてとはいえませんが、重要なポイントであることに変わりありません。記憶力の低下から日常生活が大きく制限されるようになっている場合は、受給の可能性が見えていると言えるでしょう。 |
|
障害年金の手続きを進める上で注意したいのは、医師への診断書の依頼方法です。普通は自分の置かれている現状を医師に伝え、障害年金を申請したいことを話します。その上で、初診日を特定し、病歴申立書を作成し、医師に診断書を書いてもらいます。診断書をいきなり持って行って書いてほしいというのは、一部の場合を除いておすすめできません。医師の承諾を得て、それから診断書を用意して依頼するというのが本来の依頼方法です。
精神障害の場合、食事、清潔保持、金銭管理、買物、通院・服薬、意思伝達、対人関係、安全保持、危機対応、社会性といった日常生活が、どれだけ制限されているかで等級が決まりますので、その項目に対する記入もれは評価を大幅に下げてしまいます。
過去には診断書の記入もれから障害年金が認定されなかったケースもありますので、診断書裏面にある「日常生活能力の判定」「日常生活能力の程度」の項目については確認したうえで申請するようにしましょう。
また初診日が違うと、すべて手続きをやり直さなければならなくなります。慣れていない方が初診日を特定するのは難しいものではありますが、当ホームページの初診日の項目を参考にしてください。
病歴申立書については、正確に書けない場合は、誰かに代筆してもらったほうがいいでしょう。病歴をいい加減に書いていると後で返戻となり、せっかく集めた書類が台無しになります。家族でも、知り合いでもかまいませんので、これまでの病気の経緯を丁寧に書き、かつ自分の障害の悪さをアピールしてください。 |
|